昔のトキメキに浸る
ふと、連勤が続いた夜勤明けの日に
私の青春を蘇らそうとした。
なぜ急にそう思ったのか、私にも理解できないがなんとなく自分の中で
タイムスリップするかのように
少しずつ少しずつ過去に潜っていく。
あの頃ときめいた文章。
あの頃憧れた人。
あの頃に好きだった歌。
すべてが青春そのものだった。
人間の記憶とは都合のいいもので
忘れていても、ふと当時の歌や場面で
事細かに思い出せたりするし
意外と綺麗な思い出になっていたりする。
あの時辛くて辛くて苦しかったことも
今となっては「若さ」として
心がこそばゆい。
あの頃ときめいた文章は今どんな色をして私の脳内を巡るのだろうか。
あの頃憧れていたあの人は今どんな人間として映るのだろうか。
あの頃好きだったあの歌は今どんな気持ちになって聞けるのだろうか。
変わらない。
そう。なにも変わらなかった。
まるで私が辿ったそのままの気持ちを
0スタートでまた同じ道をゆっくり進むのだ。
思い出は若さとしてどうでもいいと思えるのに
文章や憧れの人、歌は
変わらない感性で私を刺激して成長させようとする。
懐かしいという感覚が一つ一つほどけて
私のトキメキはあの頃のままだ。
こんなトキメキもたまには有意義だと思える。